ブレーキの仕組み

大型ブレーキのライニングは消耗部品です!!

摩耗残量を定期点検していますか?

ブレーキライニングとは

ブレーキライニングは「ドラムブレーキ」に使用され、車輪の中心にあるドラムブレーキの2本のシューに貼り付けられています。
2本のシューを押し広げることでドラムとライニングに摩擦力を発生させ車輪の回転を止める重要な部品です。

ブレーキライニングの交換目安は

安全にブレーキを効かせるためのライニング交換の目安は残厚4mmです。
定期点検時に必ずこの残量を点検してください。
摩耗残量が少なくなるほどライニングの摩耗は急速に進行します。

ライニングは消耗部品です!

「まだ」大丈夫は要注意・交換時期です。

ライニングを摩耗限度以上使用すると

残量が摩耗限界に近いライニングをそのまま使い続けると、ブレーキの効きが悪くなったりライニング摩耗の加速やシリンダーの液漏れ等により重大な事故につながる可能性があります。
更に使用するとドラムやシュー本体・エキスパンダーあるいはホイールシリンダーを破損させあとあと余分な整備コストが発生することになります。
自主的に点検・整備をお願いします。エキスパンダーの交換(3年毎)または分解整備も忘れないでください。

!!! このようなBrakeShoeの再利用はお奨め出来ません!

電車ブレーキ

※発生要因
Liningの全摩耗によりShoeとDrumが直接擦れた事による

※NG事由
ShoeのRimの変形のため「リベットカシメ不良」発生の可能性大

錆びつき

・LiningとShoeとの隙間が錆により浮いてしまった事例

※発生要因
LiningとShoeの間に水が浸水した事による

※NG事由
Lining張り付けの際に「リベットカシメ不良」発生の可能性大

↓このシューを剥がした状態↓

・Liningを剥がしてみると内部は錆ついている

RIM・WEBの曲り

※発生要因
ShoeをBrake-Assyから外す際に
過度な力を加えてしまった事による

※NG事由
ShoeをBrake-Assyに再装着の際に装着不良要因となる可能性大

ここで挙げた例の場合はNGとしてシュー代金を請求させて頂く事となります。
あくまでNG判断の参考としてご理解頂きますよう宜しくお願い致します。

1.ブレーキの原理

車輪と一体の回転体(ブレーキドラム、ブレーキディスク)に摩擦材(ブレーキライニング、パッド)を押しつけて、自動車の持つ運動エネルギーを摩擦熱に交換し、大気中に放散する事により制動する。

運動エネルギー重さ25トンのトラックを時速60km/hから停止させる時の運動エネルギーは約2リットルの水を沸騰させる熱エネルギーに相当する

2.車の停止距離

停止距離

中期規制で決められているトラックの停止距離

時速90km 92m以下
時速60km 37m以下

(大型車 定積)

空走時間

ブレーキをかけようとした時から実際にブレーキがかかり始めるまでの時間
(0.7秒程度)

制動距離

速度が2倍になると4倍
半分になると1/4になる

3.(参考)中期規制対応ブレーキ概要

規制値の比較

NO. 項目 新法期(中期規制) 従来法期
制動初速 停止距離 操作力 制動初速 停止距離 操作力
1 常温制動 60km/h 36.7m以下 70kg以下 50km/h 22.0m以下 90kg以下
2 高速制動(12t以下)

100km/h


90km/h


80km/h

112.0m以下


92.0m以下


74.0m以下

70kg以下


70kg以下


70kg以下

規制無し - -
(12t超&バス)
(セミトレーラー)
3 高温制動 加熱後常温時の160%の距離で停止 規制無し - -
4

故障時制動(12t以下)

(12t超)

(バス)

50km/h

40km/h

60km/h

51.2m以下

34.0m以下

64.4m以下

70kg以下

70kg以下

70kg以下

規制無し - -
5 駐車制動(静的) 18%勾配 (定積) 60kg以下

16%勾配

20%勾配

(定積)

(空車)

50kg以下

50kg以下

6 駐車制動(動的) 30km/h 27.6m以下 60kg以下 規制無し - -
7 制動力配分 各軸のロック点が基準の範囲のこと 規制無し - -
8 オートアジャスタ ドラムとライニングのGAPを自動調整できる構造 規制無し - -